蜂の巣は、人の来ない場所にできる

日常のハプニング
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散歩に負けた朝

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二連休の2日目。

起きたら8時で、もう散歩は無理そうな日差しだった。

しょうがないから、風呂掃除をして、トイレ掃除をした。

それから、昨日の戦場を見に行った。

昨日、蜂と戦った

洗濯物の干場に置いてある、いらない物を詰めた段ボール箱。

その中に、手のひら大のアシナガバチの巣ができていた。

一瞬、父に頼むことも頭をよぎった。

でも、78歳に頼んで、怪我でもされたら大変だ。

そもそも父は、毎年来る土蜂も放ったらかしで、母と私で対応しているくらいなのだ。

気持ちよく対応してくれるとは、思えなかった。

土蜂用にと買っておいた蜂駆除スプレーが、役に立った。

(私のは近所のドラッグストアで買ったものだけど、楽天にも同じものがある)

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※蜂の駆除には、危険が伴います。試される場合は、十分に注意したうえで、自己責任でお願いします。少しでも不安がある場合や、スズメバチの場合は、無理せず専門の業者さんに頼んでくださいね。

今朝の巣の中では、女王蜂らしき蜂が、身動きが取れないのか、腕と頭だけを動かしていた。

そこから出てくる様子は、なかった。

やっつけられたから、私は少し、気持ちが高揚している。

干場に、人が来なくなっていた

考えてみれば、あの干場には、人の足が遠のいていた。

母は、足が悪くなって、段差が辛い。

肩が上がらないのか、年とともに背がだいぶ縮んだから、物干し竿が高くて干しにくいのか、それとも面倒なのか。

今年(2026年)4月頃、母によかれと、父が30万円もはたいて買ったドラム式洗濯乾燥機を、母は気に入りすぎた。

もっとも、母がこれを使えるようになるまでには、2ヶ月くらいかかった。

AIに手伝ってもらって、高齢者にも分かりやすい手順書を作っては、洗濯機の近くの壁に貼る。その繰り返し。

母は、買い替え前から、毎日洗濯をする派だ。

使えるようになるまで、毎朝、不安そうな顔の母が、使い方が合っているか、起きたばかりの私に聞きに来た。

正直、うんざりする日々だった。

でも、今はある程度、一人で使えている。

母も、成長したのだ。

毎日続けることは大切だと、つくづく思う。

乾燥後のフィルター掃除だけは、毎日の私の仕事になったけれど。

この猛暑でも外には干さず、乾燥機にかけて、あらかた乾いたら取り出して、廊下に干している。

私も、部屋干しがほとんどだ。

誰も来なくなった干場には、いらない物の段ボール箱が並んでいた。

片付けるのは、大変なのだろう。

蜂の巣は、人の来ない場所にできる。

「これ、捨てていい?」

気持ちが上がったついでに、愛犬をシャンプーして、ふわふわにした。

ドライヤーをかけていたら、母が来た。

蜂駆除に感化されて、片付けをしないといけない気持ちになったのか、使っていない物を分別したから、本当に捨てていい物か確認してほしいと言う。

自分でも、判断できなくなっているんだろうな。

「あと30分くらい待ってて」と言うと、少し不満そうにブツブツ言っていた。

でも、家族なんだし、利用者様じゃないんだから、待ってもらえばいい。

時間は、いくらでもあるのだから。

まぁ、結局15分くらいで母のところに行くのだけど。

出てきたのは、5年以上使っていない長財布が2つと、同じく5年前まで使っていた合皮の手提げかばん。

そういえば、以前はこのカバンをいつも使っていたな。

今は全部、いらない物だ。

最近の母は、「カバンはすぐ見れるから」と、口の空いた紙袋を好んで使っている。

財布も、100均のチャック付きクリアケースが使いやすいのか、いつの間にか、それを好んで使っている。

中身が見える物。開けやすい物。

母の道具は、少しずつ、そういう物に入れ替わっている。

お茶漬けと、のど自慢

そのあと、犬用タオルやベッドマットを洗濯して、外に干した。

蜂のいなくなった干場が、少しだけ復活した。

お昼は、母と食べた。

米、きゅうりの漬物、ナスの炊いたやつ。お茶漬けにして、二人で。

テレビからは、日曜日ののど自慢が流れている。

スーパービーバーの「人として」を歌う一般男性に、母が珍しく興味を惹かれたように、歌詞を読み上げていた。

満点の鐘が鳴ると、母は言った。

「これは歌が良かったんじゃな」

最近の歌でも、76歳に響くことがあるのだな、と少し面白かった。

あとから、少し考えた。

あの歌詞は多分、祖母として孫に向き合うときの、母の根っこの部分を、思い出させてくれたんじゃないだろうか。

いつかその思いが、孫にも届いたらいいなと思う。

どうなるかは、わからないけれど。

こんな気持ちで家族に向き合っている人は、きっと多いと思う。

それにしても、音楽って偉大だ。

そのあと母は、弟に連絡をしたいと言って、ショートメッセージで文章を送っていた。

「行かない」と言ってやった

そういえば朝、父に「夕方、外食でもどうか」と提案された。

いつもの私なら、しょうがない、付き合ってやるか、と思いながらイエスと言っていた。

でも今日は、こう言ってやった。

「私は、私の作ったもののほうが好きだから、行かない。でも、二人で行ってきて。そのほうが私はラクできて、助かるし」

結局父は、「じゃあ、行かない」と言った。

ほんとに行ってくれたら、ありがたいのだけれど。

人の来ない場所を、つくらない

蜂の巣は、人の来ない場所にできる。

母が来なくなった干場に、巣ができたように。

家の中に、人の来ない場所を、あまり増やさないでおこうと思う。

時々、隅々まで足を運んで、風を通す。

それが、この家でいま私にできることの、ひとつなのかもしれない。

【追記】その後の、ファミレス

夕方、結局、三人でファミレスに行った。

酷暑で畑仕事ができない父が、15時半に帰ってきて、暇を持て余していた。

父の司令で、母が何度か「食事に行こう」と声をかけに来る。

この家の欲望は、やっぱり、誰かの形をして出てくるのだ。

最初は、断った。

でも、あまりに暇そうな父を見かねて、「食後に買い物をすること」を条件に、16時から出かけた。

16時から夕食を食べる気にはならず、私はコーヒーゼリーを頼んだ。

母も、コーヒーゼリー。

父は、いつものモーニングセットの和定食。夕方に。

食後は両親を車に残して、必要なものだけ手早く買って、帰った。

帰ってから、明日の夕食用にサバを焼いて、オクラの和え物を作って、明日の朝食用にじゃがいもとチーズのオムレツを作って、愛犬と散歩をして、シャワーを浴びて、今に至る。

「行かない」と言ってやった私は、どこへ行ったのか。

まぁ、こんな日もある。

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