化粧下地を返されて、力が抜けた朝

日常のハプニング

二人で買い物に行くようになった

今月から、両親が買い物へ行くようになった。

📖 前回の記事:親に買い物を任せてみることにした話

父は78歳を超え、母には認知症のような症状がある。正確な診断はまだ受けていないが。

それでも二人で買い物へ出かけることは、運動にもなるし、生活の張りにもなる。

本人たちがやると言っているなら、できるところまでやったらいいと思う。

ただ、最初から「ややこしくなるだろう」とは思っていた。

一年以上も、買い物に行くのをめんどくさがり、付き添いすら気が進まなかった母と、買い物というと自分の欲しいものだけを買うことしかしたことのない父。二人とも後期高齢者で、これからますます老いていくのに、いつまでも続けられるわけがないのだ。

買い物係ではなく、買い物管理係

実際、買い物を任せると言っても、お膳立ては必須なのだ。

買い物リストを書く。

これは父母で買えるだろうかと考える。

重い物や探しにくい物は私が担当する。

買い忘れや重複がないか確認する。

買い物が負担になってきていないか様子を見る。

買い物係を辞めたというより、買い物管理係になったような感覚だった。

「じゃあ頼むわ。ついでにクリープ買ってきて」

そんな中、先日の休みの日。

父に、

「明日は休みだから、買い物を私が代わりに行こうか?」

と聞いてみた。

二人で買い物に行き始めて2週間ほどたち、本人たちにも疲れが見えてきていた。

父は「買い物は母と一緒に行く」と決めているので、もしかしたら断られるかも、と思っていた。

ところが、

「おー、じゃあ頼むわ。ついでにクリープ買ってきて」

と案外、すぐに返事が返ってきた。待ってましたと言わんばかりだ。

家中を点検して、リストを作る

仕方ないので、家の中を見て回った。

浴室用品。

洗濯に必要な物。

台所用品。

トイレ用品。

一通り確認していく。

その上で母に、

「湿布はまだある?」

「尿漏れパッドは大丈夫?」

「絆創膏は?」

「綿棒は残ってる?」

と、生活必需品の不足がないか確認した。

母からは、

「ライフリーとサロンパスは買ってきて」

と言われた。

一方で、

「椿ヘアオイルがない」

「エイトフォーも欲しい」

「化粧下地も買ってきて」

といった美容用品は、母自身が不足に気づいて頼んできた。

いやいや、あんたも一緒に行ってもいいんやで?

そんなに美容用品ばっかり頼むんなら、ちょっとは申し訳ないと思って「自分も一緒に行くわ」くらい言ったらどうだ。

私はここ数年まったく化粧をしていない。

正直、そのあたりは管轄外だ。

今回の買い物リスト

今回の買い物リストはこんな感じになった。

【共用】

  • コショウ
  • コンソメ
  • キッチンペーパー
  • ちくわ
  • 大豆水煮
  • 醤油
  • バナナ
  • 冷凍うどん5玉入り
  • お風呂洗剤
  • 冷凍餃子12個入り
  • ウナコーワ
  • 魚(その日のお買い得品)
  • 豚ミンチ
  • ドラム式専用洗剤
  • 柔軟剤
  • 砂糖
  • サランラップ
  • 食パン

【父用】

  • クリープ
  • ネオレーズンバターロール
  • ヨーグルト(160円のもの)
  • 鉄ウエハース
  • コラーゲンウエハース
  • ファミリータイプのアイス

【母用】

  • ヨーグルト(110円のもの)
  • サロンパスシップ
  • 椿ヘアオイル
  • ライフリーのパッド
  • エイトフォーロールオン無香
  • 化粧下地

これを見て、「普通」と思う人もいるだろうし、「多い」と思う人もいるだろう。

私自身も、紙に書き出した時は、まぁ、少し多めだけど、久しぶりだし、二人には買うという頭にもない商品も多いし、しょうがないか、と思った。

小さな判断の積み重ねが、疲れる

実際に店を回ると、思っていた以上に消耗した。

買い物をしながら、頭の中も忙しい。

「椿オイルとか化粧下地とか、本当にいるか?なんでもかんでも簡単に頼みやがって」

と思ったかと思えば、

「いや、でも母がドラッグストアのあの大量の商品棚から自力で探せるわけないか」

とも思う。

買い物で価格や内容量を比較するのは、普段からやっている。

ただ、その日は比較検討しなければならない商品が多かった。

痛み止めの湿布。

尿漏れパッド。

化粧下地。

どれも少し立ち止まって考える。

その小さな判断の積み重ねが、思った以上に頭を疲れさせた。

しかも今回は、洗濯洗剤や柔軟剤、お風呂洗剤など、液体の商品も多かった。

カゴに入れているうちは気にならない。

けれど会計を終えた頃には、ずっしり重い。

買い物は頭も使うし、体力も使う。

「どこにいるの?」「まだ帰ってないの?」

気づけば2時間以上経っていた。

その間、母からショートメッセージが届き、電話もかかってきた。

「どこにいるの?」

「まだ帰ってないの?」

私は遊んでいるわけではない。

むしろ一生懸命選んでいる最中だ。

感情的にならずに対応しながらも、少しイラッとしたし、うんざりもした。

あれこれ比較しているうちに疲れてきて、最後の方は、

「もうなんでもええわ。重たいし、早く終わらせよ」

になっていた。

やっと帰宅した。

当然のように荷物を下ろし、片付けを始める。

誰も手伝わない。

「まぁ、通常運転か」

と思いながら、冷蔵庫に食材を押し込んだ。

翌朝、化粧下地が返ってきた

そして翌朝。

母が化粧下地を私に返してきた。

「これは、あなたが使って。高いだろうし、よう使わん」

はい、でました~、このパターン。

頼んどいて、断る、好みではないパターン。

化粧下地が返品されたことが、ショックだったわけではない。

文句を言うなら、最初から一緒に来なさいよ。

できることを続けてもらうための支援

今回、改めて思った。

老いた親に役割を任せることは、仕事を手放すことではない。

全部自分でやった方が、簡単なこともある。

でも、それでは親の役割がなくなってしまう。

だから、できることは続けてもらう。

その代わり、見守りや調整は増えていく。

介護というと、できなくなったことを手伝うイメージがある。

でも実際には、できることを続けてもらうための支援の方が、難しい。

最近の私は、そんなことを買い物のたびに考えている。

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