母の認知機能テスト、20点。境界線と言われた日のこと

日常のハプニング

今日という日

今日は、母をかかりつけの内科クリニックに連れていった。

目的は、薬の「一包化」をお願いすること。

それだけのつもりで同伴した。

薬の管理に、ずっと困っていた

母は現在、2種類の薬を内服している。

今までシートでもらっていたのだが、飲んだか飲んでいないかわからない、2種類のうち片方を2錠飲んでしまっていて数が合わない、といったことが続いていた。

さらに、残薬が少なくなってきたときに限って受診の予定が立てにくかったり、連休に被ったりして、休日診療を探して他の病院で数日分だけ処方してもらうことも何度かあった。

2か月ほど前から、お薬カレンダーを用意したり、私がチャック袋に1日分ずつ分包したりと対処してきたが、毎回手間で。

やっぱり一包化してもらいたい、と思っていた。

母が、自分から言った

この1年半ほどの間、私は母に何度か軽い感じで話しかけていた。

「物忘れ外来、一度行ってみたら?」

「認知機能のテスト、受けてみたらどうかな」

でも、いつも同じ答えが返ってきた。

「そこまでじゃないから」

だから今日、クリニックへ向かう車の中で母がふと言い出したとき、

「先生に、物忘れのこと聞いてみようか」

正直、いつものポーズだと思って聞き流していた。

ところが診察室で、母は先生に自分からこう言った。

「私、最近物忘れが多くなって」

少し驚いた。

母がこれを口にするのは、もっと具体的に身に応える事件が起こった時だと思っていたから、もう少し先だと思っていたのだ。

何かしら、私が家事や受診付き添いをすることに対する、申し訳ない気持ちが積み重なってたのかな?とも思った。

それを受けて、先生は長谷川式認知機能テストを実施した。

結果は20点。

「境界線ですね」と言われた。

「もっと詳しく調べるなら、近くの大きな病院で脳の画像診断もできますけど、どうしますか」

そう聞かれたが、一番に頭に浮かんだのは「父に相談の一言もなく決められない」ということだ。そんなことをしたら、一悶着起きて面倒なことになってしまう。ひとまず予約は取らずに診察を終えた。

念願の一包化、実現

薬局では、一包化と日付入りでの調剤をお願いした。

「余っている薬を持ってきてもらえれば合わせて作りますよ」

と言ってもらえたので、急遽いったん自宅へ取りに帰り、また薬局へ。

少し手間取ったけれど、希望通りに仕上げてもらえた。

これで少し楽になるかな、と思う。

帰り道の母の言葉

帰り道、母は2回ほどこう言った。

「急に、これは何かとか聞かれたらわからんのは当然よなぁ」

私は、

「そうかもねぇ〜」

と言っておいた。

最近よく使う言葉だ。

肯定も否定もしない。

ただ受け流すだけ。

いろいろ言うと、話が長くなるし、お互い険悪になったりして、疲れてしまうことが多いから。

日常で感じていること

ここから先は、検査結果とは直接関係ない話かもしれない。

ただ、今日「境界線」と言われて、私が「そうだろうな」と感じた理由でもある。

記録として残しておきたい。

少し長くなる。

道がわからなくなった

何度も行っている美容院を通り過ぎ、疲れるほど遠くまで歩いてしまったことがある。

途中で転倒し、出血もした。

通行人の方にティッシュをもらって血を止め、自分でスマホからタクシーを呼び、帰ってきた。

自分でタクシーを呼べたのは、正直すごいと思った。

その後、

「ワンタッチでタクシー会社に電話できるようにしてほしい」

と言われ、私がシニアスマホに登録した。

この出来事のとき、父は

「お母さんは昔から方向音痴じゃったんよ」

と言っていた。
私としては、「そんなレベルの話じゃねぇだろ!」とツッコミを入れたかったけど、
まぁ、父的には励ます意味もあったのか?と思う。それか、現実逃避か…😑。

その一方で、新聞の認知症新薬の記事を切り抜いて、

「わしはこれじゃと思うで」

と私に見せてきたこともある。

父も父なりに葛藤しているのだと思う。

新しい家電が覚えられなくなった

以前は洗濯機のコースなど、教えなくても使いこなしていた。

今は電源ボタンや一時停止ボタンがわからなくなることがある。

炊飯器は3か月ほどで予約炊飯や内蓋のセットを覚えられた。

でも、買い替えた固定電話は半年以上経った今も、着信に出ることがままならない。

シニアスマホも、まだ理解できていない。

自分から車を手放した

2週間前、母は自分から車を手放した。

「道がわからなくて、迷子になる」

そう父に話し、二人でもう何十年とお世話になっている自動車屋さんに連絡して処分した。

自分で気づいて、自分で決めた。

それはすごいことだと思う。

同時に、そこまで来ているんだ、とも思った。

最近の口癖

最近の口癖は、

「わからん」

「怖い」

「世の中が変わってしもうた」

「なんか狐につままれたようなんよ」

そんな言葉が増えた。

それでも料理は作る

料理は月に数回。

魚の切り身を焼いたり、野菜を炒めたり。

時間はかかるけれど、なんとか完成させている。

拡大鏡でレシピを読みながら。

段取りを確認しながら。

それでも作る。
ここ最近、家事は私がほぼ回しているから、正直ありがた迷惑なことが多いけど、時にスイッチが入って、やらんといけん、という気持ちになるのだろう。

これからのこと

今日は父は同行していなかった。

だから今日のことを、父にいつ、どんなふうに伝えるのか。

もっと詳しい検査を受けるなら、そのタイミングはいつなのか。

考えることはまだいろいろある。

母が自分のタイミングで父に話せたらいいと思うし、もし次の検査を受けてみようと思ったなら、その段取りを手伝うつもりだ。

ただ、父があとから聞いて、

「自分の知らないところで話が進んでいた」

と感じるような形にはしたくない。

そのあたりをどうするかは、まだ答えが出ていない。

記録として残しておく

うまく言葉にできないけれど、今日は何かひとつ、区切りになった気がする。

「境界線」という言葉。

先生に告げられた数字。

母が自分で言った「物忘れ」。

これから先、どうなるかはわからない。

でも、今日のことは、たぶん覚えておきたい日だった。

だから、忘れないうちに書いておく。

「境界線」という言葉を聞いても、何かが急に変わるわけではない。

明日も母は母だし、私はたぶん、

「そうかもねぇ〜」

と言いながら話を聞いている。

それでも、今日の20点という数字は、ひとつの記録として残しておこうと思う。

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