職場との相性って、ある ― 短期間で辞めた看護師さんと、世間の狭さの話

仕事にまつわる気づき

新しく入った看護師さんの前職が、偶然にも私の昔の職場でした。

「2ヶ月で辞めてしまって……」という言葉から、職場との相性や、働き続けることについて、いろいろ考えた話です。


世間は、思ったより狭い

先日、新しく入職してきたママさんナースさんと、何気ない雑談をしていました。

その流れで、彼女がふと以前勤めていた職場の名前を口にしました。

——あれ。そこ、私が昔いたところだ。

思わず「私もそこにいたんですよ」と言うと、彼女も驚いた様子でした。

私はその職場に8年ほど勤めていて、共通の知り合いも何人かいました。

「あの人、知ってます」
「あー、あの師長さんですね」

会話が一気に近くなって、世間の狭さに二人で笑ってしまいました。

看護や介護の世界は横のつながりが意外と狭いとは聞いていましたが、こんな形で重なるとは思いませんでした。


短く辞めた、その職場で

彼女がその職場にいたのは、私が別の系列施設へ異動したあとのことでした。

だから、直接会ったことはありません。

話の流れで、彼女は少し言いにくそうに、

「短期間で辞めてしまって……」

と打ち明けてくれました。

でも私は、職歴が短いことをそこまで悪いことだとは思っていません。

合わない場所で無理にすり減るくらいなら、早く離れた方がいい。

その方が、本人にとっても職場にとってもいいこともあると思っています。

だから、軽い気持ちで聞きました。

「2日くらい?」

すると彼女は、苦笑いしながら言いました。

「二か月です……」

思わず、二人で笑ってしまいました。


同じ職場を知っているから分かること

笑ったあと、彼女はその2ヶ月の大変さを少しずつ話してくれました。

それまで電子カルテの職場で働いていたのに、急に紙カルテになって記録に時間がかかったこと。

入職して間もないのに、看護研究のアシスタントのような役割を任されてしまったこと。

そうして、少しずつ精神的にしんどくなっていったこと。

聞きながら、私は「あぁ、ありそうだな」と思っていました。

その職場の空気を、私も知っているからです。

常に人員不足で、人の入れ替わりも激しい職場でした。

新しく入った人をゆっくり教える余裕なんて、なかなかありませんでした。

きっと彼女も、分からないことだらけのまま走らされてしまったんだろうなと思います。


みんな、折り合いをつけながら

世間は、狭い。

でも、その狭さは、ときどき妙な形で人をつなげることがあります。

彼女の話を聞いていて思ったのは、「短期間で辞めた」という事実だけでは、何も分からないな、ということでした。

そもそも看護や介護の現場は、どこも人員不足で、みんなどこか無理をしています。

余裕のある職場なんて、今の日本ではかなり珍しいんじゃないかと思います。

だから結局、ある職場で働き続けられるかどうかは、

  • タイミングだったり
  • 自分の腹の括り方だったり
  • 「ここまでなら許容できる」という落とし所だったり

そういうものが、その時たまたま噛み合ったかどうか。

それだけなのかもしれません。

彼女が2ヶ月で辞めたのも、次の職場で2年以上続いたのも、たぶん優劣の話ではない。

ただ、「合った」「合わなかった」。

それだけ。

みんな、完璧じゃない職場で、自分なりの折り合いを探しながら働いているんだと思います。

彼女も今の職場で、気持ちよく働けていたらいいなと思います。

もし違うなら、また別の場所へ行くだけのこと。

それくらいの軽さでいいのかもしれません。


おわりに

人が職場を辞める理由なんて、外から見ても本当のところは分かりません。

だから、「続かなかった」という結果だけで、簡単に人を判断しないくらいの軽さは、持っていたいなと思います。


※この記事はプライバシーに配慮し、一部脚色を加えています。

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