目次
- 入職したばかりの頃
- 何かが変わったのか
- 20代の頃を思い出した
- 今回の「慣れ」は、あの頃と違う
- 受け入れることは、諦めることじゃない
- 20代の自分に言えること
ある日、ふと思った。
「あ、なんか、今の職場に慣れてきたな」
特別なことがあったわけじゃない。
ただ、ぽかんと、そう気づいた。
気づけば、休みの日に転職サイトを開かなくなっていた。
入職したばかりの頃
4か月前、この職場に来たばかりの頃、私は毎日のように転職サイトを開いていた。
素手でのケア。
感染予防よりも利用者さんの財布が優先される現場。
夜間に吸引のできない体制で、40人以上を見ること。
どれも、私がこれまで当たり前だと思っていた「看護の基本」とは、かけ離れていた。
「絶対に早く辞める。次を探さなければ」
そう思っていた。
当時の気持ちは、以前の記事にも書いてあるので、
よかったら読んでみてください☺️
→ 常識は、その場その場で変わる
→転職して一ヶ月、…いろんなことあるな
あの頃の私は、本気でここを早期退職するつもりでいた。
何かが変わったのか
先月、新しい看護師さんが入職してきた。
30代のママさんナース。
午前中のみのパート勤務だ。
その方の表情や言葉の端々に、見覚えのある戸惑いがあった。
一日の業務の流れを説明しながら、私は内心思っていた。
ああ、4か月前の私も、こんな感じだったんだろうな、と。
あの頃は何もかもが「おかしい」と感じて、毎日消耗していた。
でも今、私は教える側として、ここに立っている。
そして気づいた。
私はいつの間にか、慣れている側になっていた。
驚きと同時に、少し不思議な気持ちだった。
あんなに「ここにはいられない」と思っていたのに。
20代の頃を思い出した
この「慣れた」という感覚が、少し引っかかった。
20代の頃、私は動物病院で働いていた。
動物が好きだったから、という単純な理由で選んだ仕事だ。
毎日12時間働いて、手取りは17万円ほど。
今振り返ると、かなり厳しい働き方だったと思う。
でも、不思議と嫌な記憶ではない。
院長を恨んでいるわけでもないし、一緒に働いていた人たちも、みんな同じように働いていた。
あの頃は、それが当たり前だった。
そういう時代で、そういう業界だったのだと思う。
ただ、自分の時間を大切にしにくい仕事であることは、確かだった。
仕事は自分に向いていると感じていたし、「自分はまだマシな方だ」と本気で思っていた。
貯金は100万円あるかないか。
月の収支も把握していなかったし、投資なんて頭になかった。
それでも、なんとなく生きていた。
今思えば、あの頃の私は目を閉じたまま、流れに乗っていた。
疑問を持つ前に、日々に消耗していた。
今回の「慣れ」は、あの頃と違う
今の手取りも、20万円程度だ。
数字だけ見れば、あの頃とそう変わらない。
でも、気持ちはまったく違う。
今は、毎月の収支を把握している。
インデックス投資を続けて、資産もぼちぼち積み上がってきた。
先の見通しが、立てられる。
資産運用もしているから、収入がゼロになる怖さも、前より具体的に見える。
もし大きな暴落が来れば、資産が大きく減る可能性もある。
そう考えると、少ない収入でも、安定して入ってくることには意味がある。
それも、今ここにいる理由のひとつだ。
感情じゃなくて、数字を見た上での判断だ。
20代の頃の「なんとなく大丈夫」とは、まったく違う。
受け入れることは、諦めることじゃない
違和感は、今もある。
この職場のやり方が、全部正しいとは思っていない。
でも、変えられない現実を冷静に見て、自分なりに折り合いをつけることを選んだ。
理由は、ちゃんとある。
- 自宅から片道10分
- 夜勤なしで、手取り20万円以上
- 残業は1日10〜20分程度
- 有給を使うのに、誰にも遠慮がいらない
- 現場の人間関係が、穏やか
数字や条件だけ見れば、悪くない。
むしろ、恵まれている部分もある。
完璧に納得しているわけじゃない。
それでも、自分なりに折り合いをつけて、ここに立っている。
今は、それでいいと思っている。
20代の自分に言えること
もし20代の自分に何か言えるとしたら。
好きに生きればいい、とは思う。
動物が好きで、その仕事を選んだことを後悔しているわけじゃない。
それがあったからこそ、今の自分があると思っている。
ただ、一つだけ知っておいてほしかったことがある。
看護・介護・保育、そしてペット業界。
どれだけ頑張っても、どれだけ時代が変わっても、大きく稼げる職種じゃない。
働き方も、ブラックになりがちな業界だ。
それは、個人の努力の問題じゃなくて、業界の構造の話だ。
だから、働き方と同じくらい、お金の勉強をしてほしかった。
資産形成のこと。
投資のこと。
儲かる職種と、そうじゃない職種の違い。
学校では教えてくれなかったけれど、誰かに教えてもらえる機会があれば、きっと違う選択肢も見えていたと思う。
20代の私は、目を閉じたまま流されていた。
今の私は、目を開けたまま、ここに立っている。
それだけで、十分違う。

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